南信州アルプスフォーラム 第2回全体勉強会
「リニア駅開通を控えた飯田市下伊那の戦略的広域まちづくりの進め方」
― リニア駅と中心市街地の役割を考える ―
講師 佐々木 宏幸 氏
明治大学理工学部建築学科建築アーバンデザイン研究室教授
令和4年11月26日土曜日 10時から12時
アーバンデザインとは
都市は、建物の集合体ではなく、それ以外の空間を含めた総合を考える
都市空間 建物以外の空間を意味し、
建物と建物以外の空間(公共空間)を豊かにするもの
戦略的アーバンデザインとは、都市空間のデザインをもとに都市を豊かにする
既存市街地の再生、活性化を目的に、賑わい活気溢れるまちを目指す
公共空間のデザイン ゾーニングの確定 都市計画のルールづくり
大きなビジョンと小さな状況の成功を繰り返しながら実施していく、その際住民との情報や体験の共有、イメージの共有大事
リニア時代の飯田
シチュアシオニスト 出来事をテーマ、状況の構築 関係性を強化する
小さな仕掛けで新たな状況を創る
人もの空間で地域と都市をつなぐ
ものことを通して、人の魅力を伝え、地域に目を向けてもらう
リニア駅と中心市街地は地域の重要な拠点である、地域の中心的存在で価値ある
リニア開通により、市街地の都市構造は劇的に変わる、しかし・・・
丘の上は、オンリーワンの価値がある まとまった地域としての価値 地形的にも歴史的にも
地域にとっての唯一無二の存在 中心的存在が価値ある
現状の中心市街地は、わかりやすい都市構造
桜並並木からりんご並木と谷川沿いの中央公園がクロスし、その頂にJR飯田駅
無数の機能が広大に分布点在しすぎて、まとまりない 個々は魅力的
しかし、現状の丘の上は、人通りがすくない
人の賑わいをどのように生み出すか
商業、ビジネスとして成り立たせる状況が必要
ひともの空間を活かし、魅力的な複数の拠点を整備 それを視える化する(現状視える化されていない) 星雲の丘 拠点を一等星
状況を創る 視える化、体験化、
小さな出来事の積み重ね 断片の集合体
生活、活動の積み重ね 小さなアクション繰り返しが恒常化され賑わい作る
大きな計画ビジョンの枠内で、 小さな状況プロジェクト実践を積み重ねる
公共施設やハード整備に関して
施設の波及効果を考え、周辺地域との関係性を考慮する
施設の役割をきちんと検証する
コロナ禍において 人の移動が制限されている 固定化している
ものやサービスが都市空間を移動する 食品フードコートが移動しサードプレースに 市民の憩いの場作る あるいは憩いの場に移動する 商業施設での展開可能
丘の上における飲食も移動式レストランやフードトラックによる提供でも
空き家空き店舗も多目的利用によって、十分活用に資する重要資源
会議室、まちなかMICE、週末店舗、サテライト教室、オフィス
リニア時代における中心市街地の在り方
1.私たちの取り組み方、考え方
昔は良かった、というノスタルジーに浸るのではなく、どういう地域に住みたいか、を真剣に考え選択をせざるを得ない。「快適、便利」を安易に求めた結果、人間関係を希薄化させ、社会の安定性を欠くことになりかねない。短期的な便益を享受することのみに向かうのではなく、みずからが考え行動するコストを払うことで長期的な地域の再構築を考える。
中心市街地は、晴れの場から自己実現、自己表現の場へ
中心は、「わたしたち・・・」
2.自己実現表現の場
私たち、地域住民が、やってみるを実践する場所 空間 コンテンツを提供
かつては、晴れの場、これからは、日常の場へ 特別から普段普通なとき
時間と空間の提供
ハード(施設)だけではなく、そこを取り巻くコンテンツが重要 コンテンツ作りがまちづくり 継続する
高度成長、モータリゼーションの普及、情報の共有化が進み、快適、便利な都市への集中、憧れが進む中、地域は・・・。
結果、「この地域には、何の魅力もない、誇れるものがない」「この地域には何もない」とあきらめの中、自ら問い直し、自信と誇りを取り戻すときが来た
「本当の豊かさとは何か」「しあわせとは?」 これらをテーマに地方が見直されてきた
自然と人との交わい、地域社会の絆の回復、等 行き過ぎたグローバル化都会化への警鐘、その反動によるローカル化
自分事としての地域を考える 何ができるか 地域と自分のアイデンティティを問う問題
本当の幸せな暮らしを追求する場と時間