平成28年度第1回全体勉強会
【趣 旨】
飯田市では、リニア駅周辺整備基本構想検討会議を設置し、長野県の南の玄関口及び三遠南信地域の北の玄関口としてふさわしい長野県駅とするための駅およぶ周辺の構想の策定を進めています。
当フォーラムでも、駅周辺の構想に関しての勉強会を開催し、この地域に相応しい駅機能の構想を策定し、飯田市への応募提案を行ったことは、周知のところであります。
しかし、その際にも、あくまでリニア飯田駅は、当地域へお越しいただく人々への1stDOOR(ファースト・ドア)であり、ここでの機能も重要であるが、もっと重要なことは、この先の地域のコンテンツではないか、という議論に至りました。
これを私たちは、日本の家屋に例え、2ndDOOR、3rdDOORと称し、より地域の奥座敷に来ていただき、本当の「いいだ」を感じていただける、そんな地域をつくっていく必要性を議論しているところです。
1)リニアの経済的効果ばかりが強調されるが、経済に縛られ「儲かる」「便利」「速い」などの欲望を持ちつづける限り、絶対に良い地域はできない。そうした経済的効果は忘れて、本質的なまちづくりに取り組まなければならない。
2)地域の人が誇りを持ち、その地域で生きて行く意味合いを問い直し、一人ひとりが小さな行動を起こして行くことが大切である。定住者が増えていくためには、地域の人が間に入って外からの人を入れる。地域の人が本気になるかが基本である。(清内路の事例を用いて説明)
3)リニアの施設整備に将来を託そうとするのではなく、地域の未来も人口の増加も、私たちが小さな単位で地域に仕事をつくり、自分たちの創意工夫で生きて行こうとする、意識と努力にかかっている。
【考 察】
恵まれたインフラ整備で直ぐに地域が良くなることはないのは周知の事実であるが、リニアをあえて無視して小さな単位での創発を主張されたことには驚かされた。ある意味極端な理論であるが、地域づくりが大資本による経済効果だけで成り立ち得ないのも事実である。経済面での効果と高橋理論をアフフへーベンして、更なる高みへと止揚できる理論の構築が必要であると感じました。